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霊感商法の典型的な手口と契約取消し・返金の対処法

監修:松本理平弁護士

この記事の結論

  • 「先祖の因縁」などと不安をあおり高額な商品購入や献金を求める霊感商法の典型的な手口を解説。
  • 消費者契約法に基づく取消権の要件と行使期間、被害に気づいた場合の対処手順、家族が被害に遭った際の対応も紹介します。
  • 本記事では、霊感商法の典型的な手口/消費者契約法上の取消権/取消しを主張するための要件 を扱っています。

「このままでは家族に不幸が続く」「先祖の霊が苦しんでいる」などと不安を煽り、高額な印鑑・壺・数珠等の購入や献金を求める「霊感商法」は、消費者契約法で明確に取消しの対象として規定されている悪質商法です。典型的な手口と対処法を整理します。

霊感商法の典型的な手口

  • 路上や電話でのアンケートを装い、個人情報を聞き出して接触する
  • 「霊視」「因縁」などを用いて不安を煽り、対処法として高額商品の購入を勧める
  • 購入すれば不幸が解消すると告げ、断ると「もっと悪いことが起きる」と重ねて不安をあおる
  • 複数回にわたり異なる名目(供養料、お布施等)で金銭を要求し続ける

「霊視」ではなく開運グッズの販売を入口として同様に不安をあおる商法もあります。開運グッズの高額請求トラブルの手口と対処もあわせて確認してください。「先祖の因縁を断つには高額な講座が必要」などとスピリチュアル講座への契約を迫る手口も同様の構造で、スピリチュアル講座の高額契約を解約したい時の対処法で詳しく解説しています。

消費者契約法上の取消権

2022年の消費者契約法改正により、霊感等による知見を用いて不安をあおる告知を行い、契約を締結させた場合、消費者は契約を取り消すことができると明文化されました(消費者契約法第4条第3項)。霊感等による告知を理由とする取消権の行使期間は、2022年12月の法改正により、追認をすることができる時から3年、契約締結時から10年に伸長されています(改正前に締結された契約には旧法の期間が適用される場合があります)。詳細は消費者庁の消費者契約法の解説ページで確認できます。

取消しを主張するための要件

  • 霊感その他の合理的に実証することが困難な特別な能力による知見として、そのままでは重大な不利益が生じる旨を示すこと
  • 不安をあおり、契約が必要不可欠だと告げたこと
  • それによって消費者が困惑し、契約の意思表示をしたこと

被害に気づいた場合の対処手順

1. 契約書・領収書・やり取りの記録を集める

購入した商品の契約書、支払いの領収書、勧誘時のやり取り(メモや録音があれば)を整理します。

2. 消費生活センターに相談する

国民生活センター・消費生活センター(電話188)に相談し、取消しの主張が可能か確認します。

3. 弁護士への相談

宗教団体や特定の団体が関与する場合、対応が複雑になることがあります。霊感商法被害の経験がある弁護士への相談も選択肢です。弁護士の心当たりがない場合は、法テラス(日本司法支援センター)で相談窓口の案内や、収入等の条件を満たす場合の無料法律相談制度を利用できます。

家族が被害に遭っている場合の対応

対応ポイント
頭ごなしに否定しない信頼関係を損なうと本人が心を閉ざす可能性がある
客観的な情報を共有する消費者庁や国民生活センターの注意喚起情報を一緒に確認する
専門家と一緒に相談する本人と一緒に消費生活センターや弁護士に相談する

取消し以外に検討できる法的手段

消費者契約法上の取消権の行使期間が過ぎてしまった場合でも、民法上の錯誤や詐欺、公序良俗違反による無効を主張できる可能性が残されている場合があります。また、勧誘方法が社会通念上著しく不相当と評価される場合には、不法行為に基づく損害賠償請求という選択肢も考えられます。どの法的構成が適切かは、勧誘の態様や契約に至った経緯など個別の事情によって大きく異なります。

時間が経過している事案であっても、まずは弁護士に相談し、利用できる可能性のある法的手段がないか確認することをおすすめします。宗教的な勧誘とは別に、占いサービスへの課金そのものがやめられなくなっている場合は、占いへの課金がやめられない時の相談先と抜け出す手順も参考になります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 何年も前に購入した高額商品も取消しできますか。

A. 消費者契約法上の取消権には期間制限があります。霊感等による告知を理由とする取消しの場合、2022年12月の法改正により追認できる時から3年、契約時から10年とされています。期間内かどうかを含めて相談窓口で確認してください。

Q2. 献金として渡したお金も取り戻せますか。

A. 契約の形式が献金であっても、不安をあおる告知により行われたものであれば取消しの対象となり得ます。個別の事情を相談窓口で確認してください。

Q3. 相手が宗教団体を名乗っています。それでも相談できますか。

A. はい。宗教団体であっても、不当な勧誘行為には消費者契約法等が適用される場合があります。

免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別契約の取消しや返金を保証するものではありません。具体的な手続きについては、消費者庁、国民生活センター、弁護士等の専門家にご相談ください。